2006年 04月 17日
団塊世代引退へ大量補充 「先生」争奪戦激化 |
◆団塊世代引退へ大量補充 「先生」争奪戦激化
団塊世代の大量退職を目前にして、各地の教育委員会が「先生」の確保に躍起になっている。とりわけ都市部では、現職教員の「引き抜き」から、試験科目の削減まで、なりふり構わぬ争奪戦の様相だ。15日には東京都が大阪に、大阪府が東京に、それぞれ乗り込んで説明会を開いた。
●「敵地」で説明会
「今や教師の平均年齢は45歳を超え、40代以上の先生が7割以上を占めています。ベテランの先生が退職した後の大阪の学校を担うトップランナーとして、みなさんに期待しています」
15日午後、東京都中野区で開かれた大阪府教委の教員採用試験の説明会。教職員人事課の兵庫将夫参事は、集まった約200人の学生らに秋波を送った。その後の討論会では、採用2年目の若手教師が面接のこなし方などの秘策まで披露した。時をほぼ同じくして東京都教委は、大阪市で「東京都の教師の魅力」を力説していた。
東京都は03年から大阪で、大阪府は04年から東京での説明会を実施。今年はついに同日開催となった。
大阪府は東京、名古屋、広島に加えて今年から高松市にも遠征。愛知県も負けじと、東京、大阪での開催に踏み切った。千葉県は東北、北海道の大学まで求人に出向く。都教委では、2年ぶりに仙台市でも説明会を開くほか、大学3年生を対象にした説明会をこの秋、都内や近隣の大学で始める。
「争奪戦」の背景には、団塊世代の大量退職がある。東京都では08年度をピークに今後10年、毎年2000人以上のベテランが現場から去る。都教委は、「大量退職で競争倍率が低下すると、教員のレベルダウンを招かないか」と心配する。
小学校では、採用がわずか129人だった96年度は競争率は15.3倍と「狭き門」だった。ところが、大量退職に備えて05年度に1425人を採用した結果、倍率は全国最低の2.5倍に。採用数が多い首都圏や大阪、愛知など大都市部は当然、低くなる。一方、採用数が50人に満たない福井、高知、島根では20倍を超える。
都の試算では、児童数は10年度まで増え続け、必要な教員数は08年度に小学校だけで1800人。受験者が横ばいだと、競争率は2倍程度が続く。都教委は「2~3倍では試験に緊張感も出ない。5倍は欲しい」と危機感をあらわにする。
●試験楽にし引き抜き
大学生だけではとても足りず、都教委は、他の自治体などで働く現職教員の「引き抜き」を強化。小学校では今回の試験から論文を免除し、面接試験だけにした。
年齢の上限も40歳から45歳未満に。教員経験者や社会人に対する特例も広げ、「即戦力」の補充をはかる。50代が3割、30代は2割弱という、いびつな年齢構成を是正する考えだ。
一方、近隣の反発を買いながらも、04年度に「引き抜き」特別枠を設けた大阪では、「受験生の負担軽減」に踏み切った。小学校の筆記試験の教科を7教科から4教科に減らし、音楽の実技はピアノ演奏をやめ、歌だけにした。
文部科学省によると、全国の小学校の教員採用試験は、競争率が00年度の12.5倍から下がり続け、05年度は4.5倍。05年度の採用試験では、現職教員や教職経験者に対し、17自治体で一部試験を免除し、33自治体で年齢制限を緩和した。
TITLE:asahi.com:団塊世代引退へ大量補充 「先生」争奪戦激化 - 暮らし
DATE:2006/04/17 22:50
URL:http://www.asahi.com/life/update/0417/001.html
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団塊世代の大量退職を目前にして、各地の教育委員会が「先生」の確保に躍起になっている。とりわけ都市部では、現職教員の「引き抜き」から、試験科目の削減まで、なりふり構わぬ争奪戦の様相だ。15日には東京都が大阪に、大阪府が東京に、それぞれ乗り込んで説明会を開いた。
●「敵地」で説明会
「今や教師の平均年齢は45歳を超え、40代以上の先生が7割以上を占めています。ベテランの先生が退職した後の大阪の学校を担うトップランナーとして、みなさんに期待しています」
15日午後、東京都中野区で開かれた大阪府教委の教員採用試験の説明会。教職員人事課の兵庫将夫参事は、集まった約200人の学生らに秋波を送った。その後の討論会では、採用2年目の若手教師が面接のこなし方などの秘策まで披露した。時をほぼ同じくして東京都教委は、大阪市で「東京都の教師の魅力」を力説していた。
東京都は03年から大阪で、大阪府は04年から東京での説明会を実施。今年はついに同日開催となった。
大阪府は東京、名古屋、広島に加えて今年から高松市にも遠征。愛知県も負けじと、東京、大阪での開催に踏み切った。千葉県は東北、北海道の大学まで求人に出向く。都教委では、2年ぶりに仙台市でも説明会を開くほか、大学3年生を対象にした説明会をこの秋、都内や近隣の大学で始める。
「争奪戦」の背景には、団塊世代の大量退職がある。東京都では08年度をピークに今後10年、毎年2000人以上のベテランが現場から去る。都教委は、「大量退職で競争倍率が低下すると、教員のレベルダウンを招かないか」と心配する。
小学校では、採用がわずか129人だった96年度は競争率は15.3倍と「狭き門」だった。ところが、大量退職に備えて05年度に1425人を採用した結果、倍率は全国最低の2.5倍に。採用数が多い首都圏や大阪、愛知など大都市部は当然、低くなる。一方、採用数が50人に満たない福井、高知、島根では20倍を超える。
都の試算では、児童数は10年度まで増え続け、必要な教員数は08年度に小学校だけで1800人。受験者が横ばいだと、競争率は2倍程度が続く。都教委は「2~3倍では試験に緊張感も出ない。5倍は欲しい」と危機感をあらわにする。
●試験楽にし引き抜き
大学生だけではとても足りず、都教委は、他の自治体などで働く現職教員の「引き抜き」を強化。小学校では今回の試験から論文を免除し、面接試験だけにした。
年齢の上限も40歳から45歳未満に。教員経験者や社会人に対する特例も広げ、「即戦力」の補充をはかる。50代が3割、30代は2割弱という、いびつな年齢構成を是正する考えだ。
一方、近隣の反発を買いながらも、04年度に「引き抜き」特別枠を設けた大阪では、「受験生の負担軽減」に踏み切った。小学校の筆記試験の教科を7教科から4教科に減らし、音楽の実技はピアノ演奏をやめ、歌だけにした。
文部科学省によると、全国の小学校の教員採用試験は、競争率が00年度の12.5倍から下がり続け、05年度は4.5倍。05年度の採用試験では、現職教員や教職経験者に対し、17自治体で一部試験を免除し、33自治体で年齢制限を緩和した。
TITLE:asahi.com:団塊世代引退へ大量補充 「先生」争奪戦激化 - 暮らし
DATE:2006/04/17 22:50
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| 2006-04-17 23:57